2026年9月23日
採用サイトのリニューアルより先に、「空欄」を埋めたほうが応募は来ます
求人広告を変えた。ハローワークにも出した。店の中に貼り紙もした。それでも1件も応募が来ない。足りないぶんは遠くから応援に来てもらっていて、その人もだんだんイライラしてきているのが分かる。
際立ったマイナスが無い求人だと思うのに、なぜ人が来てくれないのか。
盛って人を集めたいわけではないと思います。うちの実際をちゃんと書いて、それを読んだうえで来てくれる人に来てほしい。たぶん、そこだと思います。
そのために作り直しが要るかというと、たぶん、まだです。応募をやめた人が挙げていた理由は、デザインの古さではありませんでした。
うちのホームページ、そもそも見られているんですか
見られています。しかも、会社を探しているときではなく、応募するかどうかを決めるときに見られています。
見つけてもらえていないのではなく、見つけたあとに止められている、ということです。
見に来た人が、なぜ応募をやめるのか
面接に呼ばれた人が、行く前に会社を調べて、そのまま辞退した記録が残っています(Yahoo!知恵袋・2020年2月の投稿)。
・ホームページがない
・採用担当と経営者の名前が一緒(奥さんか本人か不明)
・住所を検索してストリートビューしても看板等が出てこない倉庫
・求人ページに従業員数が載ってない
・他の従業員の写真、情報がない
質問のお礼には、こう書いて終わっています。
面接も見送ろうと思います。
5つとも「書いていない」です。「デザインが古い」は1つも入っていません。求人の条件そのものは良かった、とも書いています。
空欄にしているのは、うちの事情なんですが
地方の中小企業で人事をしている方が、応募ゼロの相談を書いています(2015年7月の投稿)。月給18万、年休125日、賞与3か月分、残業は月10時間以下。条件を並べたあと、こう続きます。
資本金は500万円(空欄にしています)、年商非公開(社長の方針です)。福利厚生は、慶弔休暇や退職金の欄は空欄で、他に福利厚生はありません。
社用車の貸し出しについては、こうも書いています。
大々的に掲載してしまうと問い合わせが来るので、言い方は悪いですが隠しています。
そして、こうです。
際立ってマイナスポイントが無い求人だと思うのですが、なぜ人が来てくれないのでしょうか。
社長からは「なんで応募が無いんだ」と言われており、困っています。
この人が事情で空けた欄と、さきほどの転職者が「載っていない」と数えた欄は、同じ欄です。
空けた側には理由があります。問い合わせが増えて困る。退職金はその時になったら考える。どれも会社の中では通る理由です。ただ、その理由は画面に映りません。映るのは空欄だけです。
従業員数。代表の名前と顔。1日の流れ。どんな現場に行って、誰と組むのか。どれも社内にあって、外に出していないだけのものです。
本当に書けないもの、書くと不利になるものは、どうするか。厚生労働省の手引は、不利になりそうな情報も、いまの状況と今後の方針を添えて出すよう勧めています(「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」令和8年3月)。退職金の制度が無いなら、無いと書いて、いつ考えるつもりかを1行添える。隠すか、全部さらけ出すか、の二択ではありません。
じゃあ、社員インタビューを載せればいいんですか
採用サイトの作り方を解説した記事を、私は22本読みました。社員インタビューを勧めていない記事は1本もありません。
読む側の反応は、逆でした。
「ホームページに社員の声がない会社も危ないですか」という質問に付いた回答4件のうち、3件がこうです(2021年10月の投稿)。
HPに載せてる社員の声なんて信用ならんですよ。
嘘を言わされてそれを公表させられる会社って・・・
社員の声なんて どうせいいことしか書いてない。建前です。
今年9月の匿名の掲示板でも、「従業員の顔出しして皆で集合して映ってるとこ」が怪しいと感じるサイトの上位に入り、「なんか雰囲気嫌だなって思って受けなかった」と書いた人もいます。
分かれ目は、載せるかどうかではなく、いいことしか書いていないかどうかです。
だから弊社は、Zoomで喋ってもらったことを、そのまま記事にします。言っていないことは足しません。建前に見えない書き方について、弊社に実測はありません。あるのは、直さないというやり方だけです。
書く時間が無いのに、どうやって続けるんですか
嫌われているのは、後ろのほうです。
今年5月、知恵袋にこう書いた人がいます。
会社のホームページをかなり長期間放置してしまっています。本当は更新したほうがいいと思うのですが、業務優先になってしまいます。放置状態でも問題ないのでしょうか?
同じ日に付いた回答は、1行でした。
私なら、ホームページにアクセスして、更新がずっとされていないのなら、その会社は信用しません。
見られているのはデザインではなく、日付です。
弊社も測りました。既存のお客さんのサイト12件を、今年9月に機械で見に行っています。最終更新の日付が取れた8件のうち、4件が3か月以上止まっていました。3件は7か月以上、いちばん長いところは、約10年止まっていました。
止まる原因は、やる気ではありません。業務が優先になります。「ホームページを作ってもらったところが多忙で対応不可の状態です」と書いた経営者もいます(2025年2月の投稿)。
だから、作り直すときに決めるべきなのは、デザインより前に、公開したあと誰が書き足すかです。弊社は、そこを打ち合わせの録音に寄せました。
いくらかけたら、応募は増えるんですか
お金をかけずに応募が増えた会社が、公的な事例集にあります。
1件目は新潟県の設備工事業、従業員約20名の会社。賃金欄に年収の実績(新人350〜400万、中堅400〜480万、ベテラン480〜530万)を足し、現場の写真を載せました。約1か月で2名採用しています。入社する人に理由を聞いた答えです。
求人票にびっしりと様々なことが書かれていたから
2件目は従業員15名の製造業、有限会社中村製作所。面接まで進む人は年間2名。休憩室の冷蔵庫、各階のウォーターサーバー、従業員は市内在住者が8割。社長が、自分の会社の当たり前を20〜30個書き出しました。
それまで空白の多かった求人票がぎっしり埋まりましたね。
求人票の内容を変えて掲載したところ、いきなり5名の応募があったんです。
20代と30代を1名ずつ採用しています。うち1人の応募理由は「従業員の8割が市内在住者」。社長が、書くほどのことでもないと思っていた一行です。
(1件目は厚生労働省がセミナー受講8社から集めた事例集、令和8年3月。2件目は東京しごと財団が相談先から選んで載せた事例集、令和7年2月)。どちらも、会社が自分で答えた数字です。
どちらも、ホームページではなく、ハローワークの求人票の話です。ホームページの空欄を埋めたら応募が増えた、という同じ形の事例は、公的な資料に見つけられませんでした。求人票で「書いていない」が理由で落とされるならホームページでも同じだろう、というのは、私がそう思っているだけです。
埋めれば埋めるほどいい、というものでもありません。厚生労働省の手引には、こうあります。
過度な情報の提供は、①かえってわかりづらく、②必要以上に応募者を絞り込む可能性がある
採用サイトの金額は、制作会社が記事で出しています。30万円から600万円くらいまで、ばらばらです。
弊社に「採用サイトを作ったら応募が増えた」という実測はありません。言えるのは、落とされる理由が金額ではなく、書いてあるかどうかと、書き続けられるかどうかだった、というところまでです。
弊社に頼む場合は、サイト制作は10万円からです(内容によって変わります)。
何をどこまで直すかで変わるので、金額は、いまのサイトを見てから出します。そして、いまの状態を見て、何を足せばいいかを提案するところまでは無料です。見たうえで「いまのままで大丈夫です」と返すこともあります。
作ったほうがいい会社と、いま作らなくていい会社
採用が年に1〜2名で、紹介で足りているなら、作らなくていいです(制作会社スリーカウントの記事)。分かれ目は足りているかどうかで、人数や職種の数ではありません。
デザインで見せたいなら、そちらの制作会社が合います。採用のやり方そのものを設計してほしいなら、採用コンサルタントです。
弊社が合うのは、すでにサイトがあって、更新が止まっていて、人事部が無く社長が自分で採用していて、書ける中身は社内にあって、喋るのは苦にならない会社です。
今日できることが2つあります。どちらもお金はかかりません。
- 自社の求人票と、ホームページの会社概要を開いて、空いている欄を数える。求人票の「求人に関する特記事項」には600文字入ります
- 自社サイトの記事の、最後の更新日を見る
記事もブログも1本も無いなら、2つ目の答えは「一度も更新されていない」です。求職者にも、そう見えています。
この2つは、やらずに送ってもらっても構いません。いまのサイトのURLを書いて、お問い合わせフォームから送ってください。空いている欄はこちらで数えて、一覧にしてメールで返します。
こちらから電話はしません。
ホームページを作り直したあと、更新が止まってしまう理由は、WordPressのブログが止まる本当の理由に書きました。作り直すと決めたあとで読んでください。
